英国発、糖尿病患者の感染症リスクは想像以上に高い、肝臓がん(肝炎ウイルス)だけでなく、もしも膵臓がんが感染病なら?-7月16日
糖尿病患者における感染症のリスクが過小評価されているとする英ロンドン大学シティ・セント・ジョージ校の研究の結果が6月に発表されています。1型糖尿病と2型糖尿病、さらに糖尿病予備群においても感染症のリスク上昇が認められるという。
糖尿病といえば、心臓(心疾患)、腎臓(重篤化すると人工透析)、目(網膜、飛蚊症など)などへの影響が大きいことが知られています。本研究では、「糖尿病による重大な健康リスクの一つである感染症が、そのリスクの大きさに見合うほど注目されていない」としています。
。
本研究は英国内の医療記録を用いて、糖尿病または糖尿病予備群の人80万人以上(1型糖尿病3万3,829人、2型糖尿病52万7,151人、糖尿病予備群27万3,216人)の感染症リスクを、年齢、性別、民族性の一致する100万人超の糖代謝異常のない人と比較(いわゆる後ろ向き研究)。その結果、糖代謝異常を有する人では、糖代謝異常のない人と比べて、感染症のリスクが大幅に高いことが明らかになったとのこと。
・1型糖尿病患者では、かかりつけ医による治療を受ける必要がある感染症(軽症)のリスクが1.81倍、感染症で入院するリスク(重症)は3.37倍。
・2型糖尿病患者では、同1.51倍と1.91倍。
・糖尿病予備群の人では、同1.35倍と1.33倍。
このほか、2型糖尿病患者の死因として、感染症は心臓病とがんに続き3番目に多いことも判明したとしています。2型糖尿病患者の感染症関連死では、肺炎を含む下気道感染症や敗血症の影響の大きく、特に敗血症は死亡診断書で基礎死因として記載されにくく、実態が過小評価されている可能性があるとのこと。
さらに、血糖コントロールの指標であるHbA1cの平均値の高さや変動が感染リスクの増加と関連していることが示されたとのこと。1型糖尿病患者の場合、HbA1cが高いほど感染症のリスクが高く、2型糖尿病患者の場合、HbA1cの変動が入院を要する重篤な感染症のリスクと関連していたとのことです。
本研究では、がんと感染症は分けられています。しかし、肝臓がんは、肝炎ウイルスへの感染がもたらす「感染病」といえます。そして糖尿病患者に多いがんとして、肝臓がんと並んで指摘されているのが、膵臓がんです(2倍前後もリスクが高い)。膵臓がんの一部は、やはり感染病では?と思わせる研究といえます。日本の糖尿病患者は、英国に比べ、人口当たり2倍前後に達すると想定されています。「がんにならない」ためにも改善、急務です。